2011/07/24

背中の型紙

本日は、補正について少しお話したいと思います。


背中部分(後身頃)半身型紙の写真です。
型紙は、お店それぞれによって多少の違いはありますが、おおまかな形としては同じようなものです。

そして、下写真の様に、実際の生地に型紙をのせしつけ糸で印(キリビ)をうつのです。緑の糸ならばその線が背中の首周り~肩線~アームホールとなるわけです。


これは、船橋が数年前に、仮縫い状態で置いておいた生地を、今改めて線を引きなおしたものです。
ただ、ここで見ていただきたいのは、同じ人間の肩の線がいくつもある様に、採寸時に想定した肩の角度・背の長さは、仮縫い・中縫いの体型補正によって様々かわるということです。

反身・屈伸・いかり肩・前肩・なで肩・肩甲骨の張り・胸部の張りなどが、人それぞれ違うことに加え、前身頃に対しての、後身頃のバランスや角度が異なることで線は大きく変わります。

それほど、角度と長さは簡単には決まりません。ですから仮縫いが必要不可欠なのです。

スーツにおいて、「手縫いだから」という”縫い”のどうこうよりも、この補正方法がとても大切なのです。

それが、着心地を大きく左右します。