2014/10/09

新設アトリエからのBuonoは弊社職人が縫い上げます

8月4日に新店舗を構え早くも2カ月が経ちました。
おかげさまで、沢山のお客様から御注文を頂いております。
本当にありがとうございます。

さて、本日は弊店のBuono、Distintoの違いについて、いま一度詳しくご説明させて頂きます。
そもそもBuono、Distintoとは、イタリアの「成績表の評価」に由来しています。
総手縫い(一切ミシンを使わない手縫いのみの服)はOttimo、「最も優れている」という意味です。
Ottimoに近づくほど、手縫いの工程が多くなり、よりソフトで高級な仕上りとなります。

今まで弊店が、お手頃な価格帯ということでお勧めしておりましたBuono。
簡単な流れとしては、

①採寸後、オリジナルの型紙作成
➁生地裁断
➂仮縫いの製作(芯据え)
④船橋本人によるフィッティング(仮縫い)
➄型紙補正後、生地断ちなおし
⑥★船橋が直接縫製指導を行った縫製工場で本縫い
⑦フラワーホール、ボタンホールを弊社職人が手縫いにて縫い上げ、仕上げプレス
⑧お客様へ納品

といった流れでした。

しかし、新店舗を構えてからのBuonoは、★上下共にLaboratorio(工房)にて弊社職人が縫い上げます。そのためご注文頂いたお洋服は、シャツ含め、すべてLaboratorio(工房)にて製作いたします。
縫製を外注にだすということはなくなり、新店舗Sala di Prova(フィッティングルーム)と、Laboratorio(工房)で全てが完結いたします。

そもそも洋服を仕立てる上で、最も重要なことは大きく分けると2つあります。
1つ目は、洋服をお客様の体に合わせる「フィッティング技術」です。
そして2つ目は、洋服を「仕立てる技術」です。

今までBuonoでは、2つ目にある「仕立てる技術」である縫製を、船橋が直接縫製指導を行った工場へ外注しておりました。しかし、外注では仕上りに限界があり、私達が表現したい手縫いの感覚、雰囲気が伝わる仕上りと着心地には達することができませんでした。

そこで今回、新店舗を構えるタイミングでBuonoの縫製を外注することを辞め、船橋含め4人の職人で縫い上げるという決断にいたりました。
勿論のこと、今までと比べ、Buonoであってもかなり手縫いの工程が入ります。
よって、弊店で最もお求めやすいCANONICO社の生地(1936年に創業したイタリア、ビエラ地方の高級服地)で税抜き価格、224,000円とお値段を勝手ながら上げさせていただきました。

しかし、仕上りは以前とは比べられないほどレベルが上がっています。
当然です。なぜなら私たちが縫い上げる訳ですから(笑)。
仕上りは見た目の雰囲気だけでなく、着心地も全く違い、特に肩まわりは以前のBuonoと比べ抜群な軽さを実現しています。どうぞお期待下さいませ。

少し専門的な話となりますが、Buonoでの手縫いの工程として。

・洋服を立体的に作る最も重要なアイロンワーク(くせとり)
・しっかりとゆとりを入れるイタリア式の芯据え
・立体的な作り方のバルカポケットとラウンドを意識した腰ポケット作り
・微妙な糸引きの感覚が仕上りに大きく影響するハンドステッチ
・肩に空間を作り前肩があたらないようにする肩ぐせ
・イタリア式の自然的な襟付け(ほんがけ)
・もちろんゴージラインも手で縫います。
・その他にも多々、手縫いの工程が入ります。




また、上着だけでなく、パンツの仕上りも大きく異なり、履き心地もやわらかく、今までとの違いを実感して頂けるはずです。例えば、裾の仕上りだけをとってもダブルのモーニングカットで前と後ろの傾斜を、2~2.5cmつけることができます。



勿論、弊店を代表するライン、Distintoはさらに手縫いの工程が多くなります。上着に関しては、ほとんどの箇所を手で縫い上げます。(おそらく肩バッドや裄綿まで一から作るテーラーさんは日本で他にはいらっしゃらないかと...)当然のことながら、新しいBuonoとの違いをDistintoでは実感して頂けるはずです。

以上、簡単ではございますが、Buono、Distintoの説明をさせて頂きました。
有難いことに、現在ご注文が立て込んでおり、忙しい日々が続いておりますが、スタッフ一同、日々精進してまいります。また、ブログもできるだけ更新できるよう頑張りたいと思います。

今後ともサルトリアイプシロンをどうぞ宜しくお願いいたします。