2019/02/22

お仕立て上がり 3

お仕立て上がりのご紹介続きです。





Joshua Ellis Cashmere 100%
カシミアといえばジョシュア・エリスです。ベージュのヘリンボーンカシミアジャケットも、冬の定番アイテムとして憧れます。
ジョシュアエリスのカシミアは、肉厚感があり手触りも滑らか。着ていくうちにどんどん馴染んでいくというような感覚です。こちらのカシミアジャケットシリーズは色柄も豊富で選ぶのが楽しいバンチですね。

Harrisons of Edinburgh Camel 100% Polo Coat
こちらは5年ほど前に当店でお仕立てしたポロコートです。
ちょうど着て来てくださったので撮らせて頂きました。
ポロコートの定番であるキャメル100%の生地はハリソンズのものです。
このキャメルは今もハリソンズのコートバンチに入っている定番ですが、肉厚で最高です。お客様の体の一部になっておりました。




Harrisons of Edinburgh  「Millionaire」Cashmere 100%
ハリソンズから、こちらはスパンカシミア100%のジャケット地です。
現行のスパンカシミアは「Extraordinaire」というバンチですが、ミリオネアとはイングランド製とスコットランド製の違いがあります。感触としてはこちらのミリオネアの方がよりトロトロの柔らかいカシミアです。
色はブラウンですが、経糸と緯糸の色が違うのでソラーロの様な発色となっておりとても綺麗です。
ポケットは「Tasca toppa con filetto(アウトポケットに両玉縁)」というタイプで、船橋がミラノにいた頃によく作っていた仕様です。所謂ポロコートに付いているポストポケットのフラップが無いバージョンといった感じですが、珍しい仕様ですので結構反響もありました。
背中も綺麗に乗っております。




CERRUTI Vintage fabric  Wool 100%
こちらも約1年前に出来上がったものを着て来てくださいました。良い具合に馴染んできています。
この生地は以前何度かお知らせしていた、船橋が1980年にローマの蚤の市で手に入れた70年代のチェルッティのヴィンテージ生地です。現行の生地ではコストが見合わなくて出来ない織りと、ツイードに近い重さと硬さがヴィンテージ感満載の生地です。カーキがかったベージュのベストとブルーストライプのシャツも当店でお仕立てさせて頂いたものですが、現行の生地を使ったアイテムとヴィンテージ生地で仕立てたジャケットとの組み合わせがとても良い感じです。
着ていくごとに身体に馴染んでいく感覚は冬物の厚手の生地ならではの楽しさがありますね。






FINTES Super180's Wool 100%
最後は恥ずかしながらスタッフの私のジャケットです。
ちまちまと時間のある時に作っていたジャケットが約2年の時を経て完成致しました。
この生地はフィンテスのスーパー180ウールを使用したジャケット地です。カシミアとまではいきませんが、さすがのスーパー180ですので手触りや質感は凄く滑らかで気持ち良いです。目付も310gm/mほどありますので、秋冬に丁度良いですね。
たまたまですが、ポケットも玉縁パッチポケットで作っていました。仕様はもちろん1枚芯のジャッカ・レジェ―ラ仕立てです。肩パットもアームホールに入れるユキ綿も省いております。
また、私は右肩が下がっているのと、痩せ型で屈身体な上に肩甲骨の張りも凄まじく(特に左)、体に合っていない服は必ず後ろの裾が跳ねるか、襟が首に乗ってこないで抜けます。しかし、前後のバランスが合っていると写真の様に腕を前にしてもポケットに手を入れても首や肩の辺りは一切ブレずに乗っております。



5年ほど前にお仕立て頂いたポロコート以外は皆様全て1枚芯のジャッカ・レジェ―ラでのお仕立てです。

春夏物は軽さと涼しさと着ていない感覚、秋冬物は着ていくごとに身体との一体感が増していく感覚と、生地によっての着用感の違いがダイレクトに感じられるのもジャッカレジェ―ラの特徴ですね。


では、お仕立て上がりのご紹介は以上になります。

更新頻度はなるべく増やしていけたらと思っておりますので、次回の更新を是非お待ち下さいませ。



サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

東京都中央区日本橋本町4-7-2 ニュー小林ビル3階

03-6225-2257

info@sartoriaypsilon.jp

2019/02/21

お仕立て上がり 2

昨日に続きお仕立て上がりのご紹介です。

昨日のご紹介が大体春・夏・初秋に適した生地のご紹介でしたが、今回は秋・冬・初春ごろまでのラインナップでしょうか。ウーステッドのスーツ地などは3シーズン着用可能な物がほとんどですが、生地の色味や織りなどで季節を分けるというのも楽しさの一つです。




Taylor&Lodge  GOLDENBALE 50% / Super150's 50%
英国テーラーロッジの、しかもゴールデンベール50%とスーパー150ウール50%という素晴らしい生地です。重さも295gm/mと、合冬に適しております。
こちらの生地はもう製造はされておりませんで、このネイビーやグレンチェックなどを何着分か在庫生地として手に入れました。もう売り切れてしまった生地もありますが、グレンチェックなどはまだ在庫ございますので気になられた方は是非お問い合わせ下さい!




H.Lesser GOLDEN BALE 100%
こちらは英国H.Lesserのゴールデンベール100%のフランネルスーツ地です。
フランネルのネイビーチョークストライプはやはり永遠にカッコいいですね。
こちらの生地、肉厚ながら柔らかく、それでいて決してヤワじゃないという、作っていて非常に気持ち良い素晴らしい生地でした。さすがのレッサークオリティです。



MOLLOY & SONS Donegal Tweed
2018秋冬新作バンチからモロイ&サンズのドネガルツイードでジャケットの御注文です。久しぶりのドネガルツイードでしたが、こちらのドネガル良いです。390gm/mとツイードとしてはそこまで重くなく、タウンユースに丁度良い生地です。代表の船橋も良い生地だと興奮しておりました。
画像では色が分かりにくいですが、チャコールグレー地に白や黒のネップが入っております。



Taylor & Lodge Wool & Cashmere
テーラーロッジのウールカシミアのウーステッドフランネルスーツ地です。
船橋がイタリアにいた頃に買っていた生地ですので、こちらももう製造していない貴重な生地です。
チャコールのチョークストライプも素晴らしくカッコいいですね。
クラシックな雰囲気のダブルブレストのお仕立てで、しかも段返り仕様です。



Harrisons of Edinburgh FLANNEL
ハリソンズのフランネルシリーズです。
しっかりと目の詰まったフランネルの生地感は冬に着たい1着ですね。
特にハリソンズのフランネルシリーズはスーツにもジャケットにも使える色柄が多く、配色の組み合わせも絶妙なものが多いです。




葛利毛織 DOMINX Wool 100%
当店でも人気がある葛利毛織の生地から、グレーのウールフランネルをお選び頂きました。今では珍しい低速織機でゆっくりと織られた生地はどれも密度がありますが、バンチに記載されている目付からは想像出来ないほど触ると柔らかくしなやかです。ベーシックな生地をお探しの方には本当に葛利の生地はおすすめです。


ここ数年フランネルでの御注文はそんなに多くなかったのですが、今季は様々なメーカーのフランネル生地での御注文が目立ちました。やはり多いのは英国メーカーですが、日本の葛利毛織のフランネルも人気です。また、船橋が昔からフランネルで一押しなのがイタリア・カルネ社の傘下であるグアベロのフランネルです。やはりイタリア生地らしくソフトな質感と、他には無い独特なカラーバリエーションが多く、こちらも人気です。フランネルはスーツやジャケットだけでなく、パンツ単体での御注文も多いですね。

 続きます




2019/02/20

お仕立て上がりのご紹介

まだまだ寒い季節ですね。

随分とご無沙汰しておりましたが、少しだけお客様のお仕立て上がりのご紹介をさせて頂きます。



HOLLAND & SHERRY 「MESH BLAZERS」
英国ホーランドシェリーのメッシュ織りジャケット地シリーズです。
実物はもう少し暗めの濃紺ブレザーです。
こちらは生地がメッシュ織りですので、芯もメッシュの芯1枚で、更に裏地もメッシュの裏地を使用しております。夏仕様の風が抜ける極軽い作りですが、着用するとドレープもきちんと出るのが我々の「ジャッカ・レジェ―ラ」の特徴です。そして座っても肩の乗りが綺麗です。
黒銀のメタルボタンが良いアクセントになっております。




CARNET SONDRIO Cotton 100%
イタリア・カルネ社のブランド、ソンドリオのコットン地で仕立てたスーツです。
ソンドリオはコットンやリネンが有名ですが、英国メーカーには無い淡い色が多いのが特徴でしょうか。生地もソフトです。
ベージュのコットンスーツは春夏に是非着たいアイテムですね。コットン特有の経年変化も楽しみです。


Loro Piana 「Proposte Giacche」Wool 49% Silk 30% Linen 21%
ロロピアーナのジャケット地から、春夏の定番ウールシルクリネンの三者混です。
多色展開されていた中から綺麗なワインレッドをお選び頂きました。(実物は画像よりもう少し暗めです。)
ロロピアーナは本当に色味が綺麗な生地が多いですね。




Loro Piana 「ELEGANZA」 Wool 80% Silk 20% TUXEDO
ロロピアーナのウールシルク地で3ピースのタキシードをお仕立てしました。
色はミッドナイトブルーで、シルクの丁度良い艶感と相まってフォーマルには最適な生地です。拝絹、側章ももちろんシルクです。以前こちら(タキシード用シャツのお仕立て上がり)のブログで紹介しましたイカ胸のウイングカラーシャツも一緒にお仕立てさせて頂きました。
エレガントです。



ARISTON  Super 130's Wool 100%
イタリア・アリストンのスーパー130ウールでネイビーブレザーをお仕立てさせて頂きました。イタリア生地ですが、こちらは縦横双糸ですのでシワになり難く非常に重宝する生地のシリーズです。スーツ、ジャケット共に人気です。




ARISTON Super 160's Wool 100%
こちらもアリストン、スーパー160の双糸シリーズです。
織り糸は繊細ですが縦横双糸にしているため適度な張りがあり、且つ非常に滑らかな生地です。
画像では無地に見えますが、綺麗なブルーのバーズアイです。背中の首からヒップにかけてのラインが綺麗です。サイドベンツも無いように見えます。


一応春夏の時系列で少しご紹介させていただきました。
実は今回ご紹介した皆様、全ての方が芯1枚のみの「ジャッカ・レジェ―ラ」でのお仕立てです。

ジャケットはもちろん、スーツやタキシードも芯1枚のみでお仕立てしております。
我々のバス芯や肩パットの入った普通のお仕立てを以前経験された方もいらっしゃいますが、一度ジャッカ・レジェ―ラを体感されるとほぼ皆様戻ることなく芯1枚のみの仕立てにされております。
見た目がほとんど変わらず軽く柔らかい着心地になりますので、着ている方だけが知り得る心地良さも人気の一つではないでしょうか。

生地によってジャッカ・レジェ―ラ仕立てに最適な相性の芯を使用しておりますので、ただペラペラで軽いだけでは無いという所も船橋のこだわりの一つです。
気になられた方は一度是非お試し下さいませ。


もう数週間で2019年春夏が始まりますが、次回は冬物のお仕立て上がりのご紹介も出来たらと思っております。




サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

東京都中央区日本橋本町4-7-2 ニュー小林ビル3階

03-6225-2257

info@sartoriaypsilon.jp