2013/06/15

Made in Japan 軽く肌触りの良い Linen & Cotton のシャツ

私が、織元の「東邦シルク」〔現・(株)デルタ・プロジェクト)代表小林剛さんと出会ったのは、2010年秋頃でした。

彼は、山梨で織元としてネクタイやスカーフなどに力を入れているメーカーで、二代目として大企業から転職し家業を継ぐことになった経緯もお聞きしました。
かつて彼のお父様はネクタイ地の織元として成功され後、将来を見据え日本で最後の低速織機を買い揃えたそうです。


以前「織機の違い」についてお話したように、生地を広げて見たとき、高速織機で織られた生地は地の目が傾斜し歪んでいます。
(それをアイロンで整え ようにもゆがみは一時的にしか直りません。)それは生産効率を上げるための進化のように思われます。

一方、効率の悪い低速・中速織機で織られたものは、 縦・横の地の目が90度で通ります。
数年後もゆがみが少なく“長く着られる”生地と言えます。
洋服をつくる者にとっても、地の目が左右きっちり揃っていることはとても重要なことです。
普段弟子に「地の目がみえづらい無地の生地こそ特に気をつけるように。」と言っております。
イタリアにいる頃、生地メーカーに対し地の目の歪んでいる製品にクレームを入れたこともあります。

ですが、現在世界中の生地メーカーが高速機械で織っています。
イタリア、イギリス、アイルランドにて、実態をこの目でみてきました。
その上で、今や低速織機は世界の宝だと私は思います。

ですから、私は小林さんに、
「これから、真のグローバルために世界に通ずるMade in Japanのものづくりをしなければ大成出来ません。」
「この宝を生かすも殺すも貴男次第です。お互い真のグローバルの生き方のお手本を世界に見せようじゃありませんか。」と私の抱いている夢を語りました。
その上で「例えばイタリア・カルロリーバ社のような品質の物を作ってほしい。」とサンプルを持ち、 山梨の工場まで出かけました。

そしてその後、小林さんが試行錯誤を繰り返し研究し、“この宝物“を生かして出来上がった第一作が、この麻60%綿40%のシャツ地です。『Made in Japanの確かな品質に、軽く肌触りの良いファブリックデザイン』の洋服を皆様にご紹介致します。


船橋 幸彦




2013/06/09

服の流儀 船橋幸彦



私はロンドンからローマに移った年に、スーツに対しある理想を持ちました。
それは人それぞれに違う体型に適格にバランスを取る事により経糸と緯糸が釣り合い、美が生まれ、さらに着ている人もストレスがなく脱ぎたくならない。
このことが頭から離れず、求め続けて参りました。

35年が経った現在、その理想が正しかった事を確証し、現在使っている基本のパターンが、人類が当初創造した基本ではないかと思われるふしが見えてまいりました。
20世紀と今世紀と150年変ることなく世界中で着られているスーツは絶品なのです。
ですが、私の理想のスーツを着用されている方々は、世界でもほんの一握りの方しかおられないのです。
是非我々を通じ、出来る限り多くの方に人類が生み出したこの背広の素晴らしさを体感していただけたらと思っております。


・ジャケット

1)首中心に襟がちゃんと乗る。(首後ろ中心にヤジロベーが乗る感じ。中心でないとバランスがとれない、最も重要なポイントです。
襟抜けは体に不快を与え着ていることに大変なストレスを与えます。)

2)肩線は前身、後身のバランスの顔です。
人の体型は皆違いその長さ角度が合わないと、つれることとなり波うったりツキ皺がでてくる一番難しい場所です。この要が狂うと脇が当たったり、ダキが垂れたり、サイドベンツがはねたり、袖が綺麗に付かない等さまざまな問題が生じます。又その良し悪しを判断するのに椅子に座ってみて立っている時同様に肩周りにツキ皺も何もでないとほぼ完璧に合っている証です。

3)前身頃の下前、上前が、左右平行に落ちている。(ボタンを留めた状態でストライブの生地だと見やすい。2つボタン4つボタンでも同様)
これは私の服作りの基礎である前身ごろの芯据えにおいて地の目を真っ直ぐに通します。この作業で何十年経っても形が変化することはございません。
このように着たときにも左右平行に生地が落ちるように、長年の経験により独自の平面と立体裁断を融合したドレーピングを直接お客様の体に施し、その一点を見つけ出します(フルオーダーのみ)。
これにより経糸と緯糸が釣り合い、美が生まれるのです。ですからこの芯据えが土台でいかに大事かがご理解いただけるかと思います。

4)脇はたゆまない(通常だきが綺麗に入っていると表現)

5)背のだきは縦にゆとりが出る。(通常イタリアではCANNELLOと表現する。
これは筒状の意味があります。)この位置にCANNELLOが出来るのが非常に大事なポイントである。

6)袖は前身、後身のバランスがとれると自然に重力の法に乗っ取って落ちます。(但し腕が外反肘の方は袖パターンで処理が必要)


・パンツ
1)流行により太さは異なりますが、ウエスト後ろ背骨中心の位置に密着感があり、前身後身が太ももに触れないように落ちるのが理想です。
それから足を左右と踏み出し、前身センターラインが膝頭の中心を通りつま先に落ちているかを確認する。(但し私もそうですが、蟹股の方は膝頭中心ではなく、内側に通したほ うがまっすぐに見えます。)

2)後ろ身は垂れジワがないか注意する。後ろの垂れジワは本人には気付きにくいので要注意です。
体からパンツが、離れているので動きによってはつっぱり、ストレスを感じ、垂れた分足が短く見える。

・シャツ
私のシャツパターンは正にジャケットから作ります。
ですからその方のバランスがそのまま反映し裏地同然です。体に着ている感じを与えません。
ジャケット同様にゆとりは脇下に弛まず背に縦にゆとりが出来ます。現在脇下にユトリが垂れているシャツを皆様は着られています。
シャツは生地が薄いため、必要以上のゆとりがありバランスが悪くても着られますが、私の言うバランスのシャツを体感されると、その違いが解ります。大事な見分け方は上記ジャケットと同じ事なのです。


船橋 幸彦

2013/05/04

リピーターのお客様 2回目以降の仮縫い中縫いについて

SartoriaYpsilonでは、新規の半分以上のお客様が、再びオーダーしてくださっています。
写真のお客様も最初のご来店で、スーツをご注文いただき、その後シャツ、コートといろいろなアイテムをオーダーしていただきました。

お客様に、再びご注文いただける理由をお聞きしたことはないですが、船橋の仮縫いによるドレーピング、フィッティング理論、出来上がりの雰囲気が他とは違い、ご注文いただいた商品に、お客様自身が「満足」していただいた結果だと思っております。


写真のN様は1着目からDistintoでご注文をいただいております。
仕立て屋としては、当然のごとく一着目の仕上りから完璧にお作りしなければなりません。
もちろん1着目のスーツはばっちり納めさせていただきましたが、今回はさらに肩の角度を先で数ミリ、背のラインも若干修正いたしました。

写真をご覧ください。中縫い状態ですが、脇のゆとりがよりきれいにはいりました。
2着目以降はより完璧な仕上りとなること間違いなしです。

この度もご注文いただきありがとうございます。


2013/04/24

新着 エイチレッサー ハリソンズ

新着生地のご紹介です。



↑Harrisons "Mirage" Made in England , 66%Wool 22%Silk 11%Linen ,330gms


↑Harrisons "Mirage" Made in England , 66%Wool 22%Silk 11%Linen ,330gms
春、秋の季節に適した三者混です。


↑H.Lesser&Sons  Made in England ,100%Wool , 280gms前後 
春夏よりの3シーズン用生地です。発色のちょうど良いとても無地、若干のナス紺です。おすすめです。


↑Harrisons "Fronter" Made in England , 100%Wool , 300gms
英国にて夏物、日本にて春夏向きの3シーズン用生地です。年間を通して汎用性のたかいものです。




↑H.Lesser&Sons  Made in England ,100%Wool , 280gms前後 
春夏寄りの3シーズン用生地です。中間色のニュアンスのちょうど良い無地、ミディアム・グレーです。これもまたさらにおすすめです。


↑Harrisons "Havana" Made in England ,100%Wool , 250gms前後
さらさらした夏用の生地です。お仕事にもの適した生地感です。


2013/04/11

中丸三千繪さん シークレットコンサート

4月9日(火)、世界的オペラ歌手の中丸三千繪さんのシークレットコンサートに行ってまいりました。

<中丸三千繪さんプロフィール>
1986年に小澤征爾指揮による新日本フィルハーモニー交響楽団の「エレクトラ」で日本デビュー。
翌年イタリアに渡り、世界三大テノールの1人、「ルチアーノ・パヴァロッティ・コンクール」で優勝し、ヨーロッパデビュー。
その後、「愛の妙薬」でパヴァロッティと共演するなど、アメリカへもデビューを果たす。
1990年、夢であった「マリア・カラス・コンクール」にイタリア人以外で初めて優勝し、現在でも唯一の日本人優勝者である。

中丸さんのコンサートは昨年6月以来久しぶりでした。
中丸さんとはオペラ好きの兄、芳信を通じて22年前イタリアでお知り合いになりました。

23年前、ベネチアのフェニーチェ劇場で行なわれた「マリア カラス コンクール」で中丸三千繪さんが優勝されたその瞬間を目のあたりにする幸運を体験した者の一人です。
彼女の歌声を聴いたその時に、一番に優勝を確信した事を昨日の事のように思い出します。

船橋幸彦

2013/03/31

イタリアの副資材

サルトリアイプシロンでは洋服の内部、副資材を、主にイタリアより買い付けています。

毛芯といわれるジャケットの表地を形取るものには、ウール&コットンで、イタリア内でも特に薄く、軽いものを選び、使用しています。
100%ウール毛ジンと異なり、コットンミックスなので伸縮性は少ないです。その”表地を張り出さない”感じは、動作の中での生地の表情が出ます。
国内に同様のものがなく、代用はききません。


スレキとは、ポケットなどに使う内側の袋布のことです。
こちらは、Marca Cervo(マルカ チェルボ)のもの輸入し、使用しています。
このメーカーのスレキはイタリアでも品質の良い、高級副資材だそうです。のりづけされたようなぱりぱりしたものではなく、柔らかな肌触りです。


その他、弊社ではいろいろな物をイタリアから輸入しています。
そのうち、またほかの物もご紹介したいと思います。



2013/03/02

スミスウーレン サンプルスーツの紹介

2013年春夏生地の新見本が出来ました。


生地は、Smith Woollens "Finmeresco" Mede in Scotland , 100%Wool , 290gms
「強撚の3plyです。立体感を生み、素材の割りに軽めです。クラッシックな織り方ですが、明るい色と軽さで野暮ったく感じません。」

ライトグレーな生地に明るめなブルーのタイ、少し織柄の入ったシャツで涼しげなコーディネートしてみました。大人の男が漂わせる「渋い」雰囲気は感じませんが、こういった清潔感のあるコーディネートは、女性には好評かもしれませんね。