2011/09/04

よりクラシックを求めるならば…

今回、よりクラッシックなものを求めている方に、年代物の生地について。

現在、生地の生産地である欧州においても、ドライスピニング(紡績)、高速織機が一般的であることはご存知だと思います。そして、その技術革新のおかげで、super表記などの繊細な生地はより細く、よりエレガンスに美しくなっています。
一方で、昔ながらの仕立ての雰囲気をだすため、太目の糸で織ったり、昔の織り方どうりに復刻した生地も出来ています。

ですが、やはり”ヌメリ感”のあり、風合いのある生地を求めるならば、(高速以前の織機をつかった)本物の年代物が、柔らかに仕立て栄えすると感じます。
また、特にクラッシックな縫製方法で手縫いを多様する仕立て方の場合、後者がとてもしっくりきます。もともと、100年以上前の形に、縫い方も副資材もたいして変わっていないのですから、相性が良いのも当然かもしれません。

年代物の生地を使い、手縫いを多用し、重たいアイロンで時間をかけて仕上げるものは、現在のスーツとは一線をきす一つの価値観があると思います。

一方、生地は年月ごとに生地が含む油が抜けていくと言われますが、そのうん年前の生地と、復刻された生地を比べても、明らかにうん年前のもののほうが感じがよく、柔らかにハリがあると感じます。
弊店でも、年代物の生地が数点、一着分限りで御座います。今後、順にご紹介致します。

まずは、一点。



Tallia di delfino のWool&Cashmere、1980年代につくられたと思われる生地です。現在では、super生地などの細いウーステッドを得意とするタリアも、古いものにこのように風合いある生地が残っていました。現物一点限りです。
 
一枚目の写真と同じ品質の生地なので、同様の雰囲気で仕立て上がるはずです。店頭で御覧くださいませ。