2019/09/06

文化ファッション大学院大学での講義

9月に入りました。
秋物の服が恋しくなってきましたが、まだまだ暑いですね。


さて、少し前ですが、7月に代表の船橋が文化ファッション大学院大学(BFGU)にて特別講義をしてきましたので、その模様を少しご紹介致します。

まずは今回の講義について船橋のコメントです。


・バランス理論講義
「BFGUでの特別講義も今年で3回目となりました。今回はバランス理論の必要性を基本に、実際に生徒さんに体感してもらう内容にしました。

生徒さんに代表で男女一人づつ出てもらい、まずこちらで用意したゲージサンプルのジャケットをそのまま着てもらいます。そして私が普段仮縫いの際に行っている、ジャケットの肩を外してピンで留め直すフィッティングを施し、その方の体型のバランスに合わせます。そうすることにより、バランスを合わす前と後での着心地の変わり方が体感できるのです。最後に椅子に着席してもらい、前のボタンを外さずとも窮屈でなく、どこも当たる所が無いかも確認してもらいます。座ると、ジャケットがその方にどれだけフィットしているかが余計に分かるのです。
立っても座っても見た目に変なシワが無くなるので、他の生徒さんにも以前以後の変化が分かります。

この、きちんとバランスの取れた服が如何に着やすく美しいかを、まずは服飾を学ぶ方々に教えたいと思い今回はこのような内容の講義にしました。」



という事で、今回はジャケットのフィッティングを主にした講義を致しました。

ではその様子を少しだけ。


2日間に亘り講義を致しました。
毎年7月にご招待頂き、今回で3回目です。


生徒さんにゲージを着せたところです。割と体型に合っているので分かりづらいですが、よく見ると微妙に首の下辺りツキのようなシワが出ています。また、左肩の先の方の骨が張っているので生地が少し突っ張り気味なのと、それによって左の裾辺りがほんの少し浮き上がって見えます。
この後袖を外し、肩の縫い目も外してピンで留め直し、直接バランスを取っていきます。




肩をピンで留め直した後です。
首の下のツキが無くなり、肩全体も綺麗に乗っています。
座っても肩と首の乗りがぶれません。


女子生徒さんにも同様にフィッティングを行いました。

背中も綺麗です。



一昨年の講義はパンツのパターン作成から本縫いまでを行い、昨年はジャケットのパターン作成からシーチングでの組み立て、着せ付けを行いました。(昨年の講義のブログはこちら

毎年タイトルには「バランス理論による~」とついているのですが、バランス理論とは洋服を各自の体型にきちんと合わせ、更にそのバランスを数値で見て体型を完璧に判断・把握するというのが本質であり、ある意味今年のフィッティングの講義が一番直球に近い話だったのではないかと思います。


このような内容は学校の授業ではなかなか聞く事がないと思いますが、一つの理論として心に響いて頂けたら嬉しいですね。

またこのような機会がありましたらお知らせ致します。