ここ数日気温も一気に下がり、一気に秋冬モードになってきました。
今回はそんな秋に丁度良い生地のご紹介です。
サルトリアイプシロン別注
カルロ・バルベラ製 100%モンゴリアンカシミヤ
206gm/m
こちらの生地は今までブログなどでもほとんど紹介しておりません。
その昔船橋がイタリアに居た頃のホームページで軽く触れていたかもしれませんが、無いに等しいと思います。
この生地は船橋がミラノにアトリエを構えていた時代、今から20年程前の2000年頃に、カルロバルベラに別注で織ってもらったカシミヤ100%の生地です。
更にカシミアの中でも高級なモンゴリアンカシミヤを使用しているという贅沢な代物です。
イタリアの高級生地の中でも特に素晴らしい品質のカルロ・バルベラですが、そのバルベラのモンゴリアンカシミヤ生地を別注で作ったというのは個人の仕立て屋としてはあまりない話かと思います。
イタリアで長くサルトリアを営んでいた船橋だからこそ出来た事かもしれません。
特にバルベラは2010年からKitonグループですので今では絶対不可能な奇跡のような生地でございます。
↑濃紺と
↑チャコールグレーという間違いない2色です。
写真では分かりづらいかもしれませんが、本当に濃紺もチャコ―ルも最高に丁度良い色味をしています。
そして生地耳には
「SARTORIA YPSILON PURE MONGOLIAN CASHMERE FOR GENTILUOMO IN NEO RENAISSANCE BY CARLO BARBERA」
サルトリアイプシロンとカルロバルベラの文字もちゃんと入っております。
GENTILUOMOは紳士という意味です。NEO RENAISSANCE(ネオ・ルネッサンス)は当店のWEBページで船橋が言っているネオルネッサンス構想の事です。
カシミヤというのは軽くて温かいが特徴ですので主に秋冬向けのイメージです。
この仕様は船橋の指定で、当時は繊細なカシミヤの糸でこのようなウーステッドの生地を作る技術がそこまで無く、上手く出来るか分からなったそうです。
結果上手くいったので双方満足のいく生地が出来ました。
ですので、一般的なカシミヤ=トロっとしたヌメリのあるなめらかで艶やかな素材感を思い浮かべている方は間違いです。
トロっとはしておりません。むしろサラッとしております。
ヌメッとした感じはありません。むしろフワッとしております。
平織りなのでどちらかというとマットな見た目です。
よくあるカシミヤ生地と比べると良さが分かりにくいかもしれません。しかし触っていくと段々とイプシロンカシミヤの生地の良さが分かるかと思います。
サラッとしているのにパサつきは無い。
フワッとしているのにしっとりとした落ち感がある。
平織りなのに原毛の繊細な光沢がある。
むしろこの軽さと織りだからこそカシミヤ糸の本来の上質さと、カルロ・バルベラの最高品質の生地作りが浮き彫りになっているのではないかと思う程です。
そしてこの素材感でしたら春夏秋と3シーズン着用できます。
むしろ肌寒くなってきた今など一番良い季節です。
それぞれ1着づつ作って組み合わせでスーツとジャケパンとを楽しむのも一興です。
このカシミヤ生地を作っていた2000年頃船橋はバルベラの工場に何度か行っていて、バルベラの担当者に「うちの工場は一番山の上にあるから他のところより一番綺麗な水を使って生地を作れるんだ」と言われたそうです。
そんなバルベラの工場は2020年に移転し、元あった場所から少し下った場所に移りました。
工場が移転して生地のクオリティが下がるとはあまり思えませんが、どの生地メーカーも20年前と現在では原毛の品質や生地作りにかける手間などはやはり変わってきていると思います。(生地の値段は10年前と比べても上がっています)
今の生地も素晴らしいものが沢山ありますが、今回ご紹介したイプシロンカシミヤは20年経った今でも素晴らしい状態を保っている希少な生地の1つではないでしょうか。
ちなみに現在の在庫数は濃紺がスーツ2着分、チャコールグレーがスーツ1着分のみとなっております。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい!
サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon
東京都千代田区二番町1-2 番町ハイム101-2
03-6225-2257
ypsilonjapan@gmail.com
※お車でお越しの際、土日はビル内駐車場が無料でお使いいただけますのでご利用の場合は事前にご連絡をお願い致します。平日はショールーム手前の有料駐車場かお近くのコインパーキングをご利用下さい。