2016/06/07

Scuola di Sartoria Ypsilon 1回目

先週の土曜日から、サルトリアイプシロンの縫製教室「Scuola di sartoria Ypsilon(スクォ―ラ ディ サルトリアイプシロン)」が始まりました。
全9回のパンツ縫製教室です。

今回は我々も初の試みという事で、ごく少数の定員3名で締め切らせて頂きました。3名の生徒さんに対し3人の職人スタッフ+船橋が教えるというかなり密度の濃い内容です。

では、第1回目の授業風景を少しばかりご紹介です。

1回目のカリキュラムは「仮縫い組みとフィッティング」です。
事前に生地を選んでいただき、採寸、裁断、切り躾まではこちらで用意していましたので、仮縫いを組む作業からが授業の始まりです。

まずは生徒さんに進呈したイタリアの指ぬきや小鋏の使い方、船橋流糸の通し方などから説明です。

皆さんイタリアの指ぬきに慣れていないのと緊張も相まって、初めはなかなかのぎこちなさでした。

船橋による小鋏の持ち方の説明。

皆さん指ぬきにも徐々に慣れていき、授業は順調に進みました。

仮縫い組みはそれこそ全て手で縫うので、技術の訓練にもなりますし、組む順番も本縫いとほぼ変わらずなので作業の上ですごく大事な部分です。

皆さん普段慣れていない作業を4時間余りされたので、少しお疲れだったかと思います。

最後に我々としても初の教室を終えて、船橋の感想です。

兼ねてから懸案であった服作りを教えることが始まりました。
服を縫うことに際しまずはパンツから始まり、その後チョッキ、ジャケット、コートと
言われております。これには意味があり、まずは針使い、くせ取りの意味を理解しながら部分縫いと言われるポケット等パーツを組み合わせる事を学びます。これらが後にジャケットを縫うに際し役に立っていきます。

イプシロンでは基本的にはイタリアの縫いを教えます。使う道具や材料も鋏、毛抜き以外はイタリアのものです。そんなに日本と違うのかと問われますと、縫い方の感性が違うと答えるのが妥当かと思います。ここでは日本とイタリアの違いを発見されることも大きな意味があると思います。授業でそのことを私の知る限り語りたいと思っております。
今回針使いにおきましては、イタリアの指ぬきを使って頂きました。イタリアの指ぬきは指先に付けます。これはより繊細な指使いが出来るのであります。
くせ取りにおきましてはなぜ必要なのか、どの様にするのか細かく説明致しました。4時間あまりの授業でしたが、皆さん結構上手く指ぬきが使いこなされるようになられて驚きました。
授業の最後には組み立てた仮縫いでフィッテングを行い、終わりました。

次回からは本縫いに入ります。基本を教えることを重要視しており、手作業が多くなりますが、この基本から多くを学べる事を確信しております。」


次回はパーツの裁ち合わせなどです。今後もこちらでご紹介していければと思います。