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2021/11/02

LODEN CAPE COAT

 あっという間に11月になりました。

2021年もあと2ヶ月を切りましたが如何お過ごしでしょうか?

季節の変わり目ですので皆様くれぐれも御身体お気をつけ下さい。


さて、今回やっと完成したサンプルコートをご紹介します。


LODEN CAPE COAT


ローデンコートのケープバージョンです。
今年の2月の当ブログで「パルトーフェア」というコートフェアを開催した際の記事に、シーチングで組み上げたサンプルを掲載致しましたが、遂に完成品が出来ました。

昔の裁断書に載っていたローデンケープの型紙を基に少しアレンジを加えて作りました。
ローデンケープはローデンコートの始まりのようで、今の袖付きのローデンコートとはまるで違います。
本当はローデンクロスを使用するのですが、今回は着易い様ウールギャバジンで作りました。

では、ディティールをご紹介していきます。

襟はステンカラ―です。

ケープは襟の所で一緒に縫われていますので外れる事はありません。

ケープ部分は要尺をたっぷりと使用していますのでサイドのフレアが綺麗です。

ケープをめくると中はノースリーブです。カマもかなり深めです。
ジャケットの上に着る事が前提ですのでこれだけ深い方が動きに支障がでません。

こちらはポケットではなく、中のジャケットのポケットを使うためのただの切り込みになっています。


型紙に載っているローデンはフロントにボタンも無く本当にただ羽織るだけなのですが、サンプルにはボタンを付けた仕様に変えています。
また、脇にはポケットはありませんが裏ポケットは通常のコート同様付けております。

今回仕様したウールギャバジンはハーディミニス社の目付370gm「SUPER GABARDINE」から選んだベージュで、こちらの生地は春秋のコートに非常に最適な生地です。
最近あまり見かけなくなった重めのウールギャバですが、カラーバリエーションも豊富でトレンチやステンカラーコートにも非常にお勧めの生地となっています。

コスプレのようになってしまいがちなインバネス型コートですが、着てみると本当にかっこいいんです。

ご興味のある方は店頭にサンプルございますので、是非一度袖を通してみてほしい一着です。



サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

東京都千代田区二番町1-2 番町ハイム101-2
03-6225-2257

ypsilonjapan@gmail.com

※お車でお越しの際、土日はビル内駐車場が無料でお使いいただけますのでご利用の場合は事前にご連絡をお願い致します。平日はショールーム手前の有料駐車場かお近くのコインパーキングをご利用下さい。




2021/02/15

PALTO' パルトーフェア

久しぶりのブログです。

現在サルトリア・イプシロンではパルトーフェアを開催しております。

パルトーとはイタリア語でコートの事で、元はフランス語のPaletot(外套)からきております。Paletotはダブルのコート全般を言うようですが、古い言葉らしく今ではあまり使われておりません。
今回は敢えてコート=パルトーと言い換えております。では、なぜ敢えて古い言葉を使い、更にシーズンが過ぎようとしている今時期にフェアをするのか、以下に代表の船橋の想いを綴りましたのでご覧下さい。

『ローマ修行時代の1977年頃、私の最初の恩師ニコラ・ペレグリーノ先生は冬場になるとよく「パルトー」という言葉を口にしていました。初めは何の事だろうと思っていたのですが、いわゆるコートの事を言っているのだとのちに理解しました。コートはイタリア語で Soprabito ソプラアビト や Cappptto カポット というのが一般的ですが、その時聞いたパルトーという言葉、発音の語感がなぜだかとても夢誘うものでした。
その当時イタリア人にとってコートを自分のサイズ、好きな形でオーダーするというのは彼らの身だしなみであり、一生大事に着る身体の一部のような衣服として存在していたように思います。

それから40年以上の時が過ぎ、温暖化や技術の進歩によって軽くて温かい衣料品が「アウター」の主役となりました。使い捨ての物に溢れている現代社会、物だけでなく人の心も同様になっているように感じます。そして、今回のコロナ禍において色々な制約を余儀なくされてしまった今、「自分のものを大切に使い生きる」文化はより一層私たちに共存の喜びを与えてくれ、人や物、環境全てを大切にする心が湧いてくるのではないでしょうか』

という船橋の想いの元、今だからこそ手のぬくもりのある一生物の”パルトー”を皆様に着ていただきたくフェアを開催する運びとなりました。

5月中旬頃までの御注文で今年の10月末に納品となりますので、来秋冬から御着用出来る様なスケジュールです。
まずはチェスターコート・ポロコート・ラグランコートをご提案致します。既にお持ちの方はスポルベリーノやローデンコート、ナポレオンカラーコートなどもおすすめです。

コートサンプルはこちら
シングルチェスターコート

ダブルチェスターコート

ウールギャバジン ラグランスポルベリーノ ケープ付き
※スポルベリーノとは「ホコリ除け」という意味で、軽く羽織れるコートの事です。

ケープを外すと普通のラグランステンカラ―です。


ドネガルツイードアルスターコート
(アルスターコートはドネガルツイードで作るのが本来との事です)

キャメルポロコート

レディース カシミアアルスターコート 

ローデンコート

この他、ナポレオンカラーコートなどもあります。

今回パルトーフェアを行うにあたり、船橋が昔蚤の市で購入した古い裁断書を見直してみました。
この裁断書は1949年に発刊されておりますが、12版目なので初版はもっと以前に発刊されています。
文中にはPalto'やPaletotという単語が随所に出てきます。
(ただ、同時にSoprabitoやCappottoも出てくるのでどう使い分けているのかいまいち分かりませんが、、、。)
この中に興味深い型紙がいくつかございましたのでご紹介致します。

まずはこちらです。

PALTO' TIPO SPORT

「パルトー ティーポ スポルト」とは、スポーツタイプのコートという意味です。
型紙を見ると分かるようにいわゆるポロコートで、このパルトーという言葉が題名に使われているのはこの型紙のみです。
サルトリアイプシロンのポロコートはこの形を踏襲しております。


LODEN
ローデンです。
しかし我々が現在知っているローデンコートとまるで違います。
文中には「袖無しケープ付きの首まで閉じたコート。昔一時期流行し、今は神父さんが使い、警備員や交通警察などのレインコートとしても使用されている」とあります。

そこで色々と分かる範囲で調べてみたところ、ローデンコートの起源はローデンケープのようです。
アルプス・チロル州の寒い気温と雨の多さを凌ぐ為に織られた布がローデンクロスであり、その布で作ったものを作業着として羊飼いや猟師たちが着ていたのがローデンケープです。16世紀にはすでに存在しており、ヨーロッパに広まっていったのは19世紀初頭からで、20世紀に入ると今の様なクラシックなコートとして確立されていきました。

これはかなり興味深いので、試しにサンプルをシーチングで作ってみました。
正面


背面

中の作り

見た目はインバネスコートですね。
昔の絵画やイラストではこのようなケープやマントを着ているのはよく見ます。(アルスターコートも最初期はケープが付いていたみたいです)
しかしこの形をローデングリーンの布地で仕立てるというのは今逆に新鮮かもしれません。
※ちなみに、1979年公開の「007 ムーンレイカー」の劇中で、適役のヒューゴ・ドラックスがボンドとハンティングをするシーンでローデングリーンのケープにチロリアンハットを被っていますので気になられた方はネットで検索してみて下さい。画像が出てきます。

その他にも多数のコートの型紙が掲載されております。

クラシックなシングルコート(チェスター)

レインコート

乗馬用コート

毛皮コート

この他にも裁断書にはまだまだコートの種類が載っているのですが、割愛させて頂きます。
しかしながら如何にコートというものに重きを置いているかというのが伺えますね。

軽く性能の良いアウターが安価で手に入る今、重い生地で仕立てるコートは時代に逆行しているように感じるかもしれません。
しかし、きちんと身体に合ったコートを着るとハイテク性能など簡単に凌駕する幸福感を得られます。そもそも着用すると一切重さを感じません。
また、一生着られる事を考えると今話題のサステナブルな物に一番近いように感じます。

どうぞこのフェアの機会に自分だけのコートを作られてみては如何でしょうか?

<パルトーフェア>
・御注文は5月中旬頃までの締め切りを予定しており、納品は10月末になります。
・店頭在庫のコート地など特別価格でお仕立て致します。
・御注文時に半金、納品時に残りのお支払いとなります。
・今回のフェアでの御注文はBuonoでのお仕立てのみですが、フロントとラペルのボタンホールは手縫いです。

価格等気になられた方はお気軽にお問い合わせください。
また、お越しになれない方にはこちらから伺う事やバンチをお送りする事も出来ますので、併せてお気軽にお問い合わせ下さいませ。

ヴェネト州(チロル州の隣)の農民のマント

サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

東京都中央区日本橋本町4-7-2 ニュー小林ビル3階

03-6225-2257

info@sartoriaypsilon.jp

2019/08/21

Loden Coat ローデンコート

連日暑い日が続いておりますが、洋服屋ではもうすぐ秋冬のシーズンが始まろうとしております。

ここ数年新たなアイテムのサンプルがなかなか作れずにおりましたが、今回久々にコートのサンプルが完成致しました。

「Loden Coat」
ローデンコートです。


ローデンコートとは、オーストリアとイタリア北部に跨るチロル地域で狩猟用に着られていたコートで、その地域で織られたローデンクロスを用いたコートです。
今回作ったモスグリーンが代表的な色で、森の中で着るものですからグリーンなのでしょう。




形としてはAラインのステンカラ―コートなのですが、随所に特徴があります。

では、ディティールを紹介していきます。


まずは肩、袖付けです。
この作りは非常に特徴的で、通常のコートやジャケットなどは身頃のアームホールに袖を裏側から縫い付け、ひっくり返して表に返すというような縫い方なのですが、このローデンコートは違います。
ローデンコートの一番の特徴である肩部分の張り出し。この張り出しと次に出てくる脇下の縫われていない部分があることにより、通常の縫い方と異なった縫い方になります。
あまり詳しく書いても専門的過ぎるので割愛致しますが、非常に新鮮でした。
肩周りのステッチは強度を保つ意味もあり2重です。


上でも触れましたが脇下は袖と身頃がくっついていません。
これは中に重ね着をして着た時でも、銃を打つ際の動きに制限がかからないためだそうです。
通気性を良くする意味もあるかもしれませんね。

ポケットより後ろ側にある脇縫い目が一部空いております。
これはボタンを閉めたままでも中に着たジャケットのポケットのものを取ることが出来る仕様です。トレンチコートのポケット内部にも同様の穴がありますが、こういうさりげない実用的ディティールはグッときます。

袖は3枚切り替えでタブ付きです。

背中心に、肩甲骨の下辺りから裾までインバーテッドプリーツが入ります。
これも動きに対応したディティールです。
このプリーツが入っている事により、かなり強烈なAラインに見えます。

前身頃裏側は通常大身返しのみで裏地は付かないのですが、当店の仕立てでは裏を付けました。背は半裏仕様です。



襟周りです。
ステンカラ―ですが、通常より衿腰高めに設定しております。
また、襟にスロートタブ(襟を立てた際に前を留め付けるストラップ)が付くものもありますがサンプルでは付けておりません。タブを付ける場合襟はもう少し小ぶりにした方が良いですね。



第一釦を留めずに着るのもありです。


そして、このローデンコートに欠かせないのがローデンクロスです。
ローデンクロスはウール生地に縮絨をかけたメルトンのような生地で、防寒・防水性に優れた生地です。
ローデンクロス自体あまり見かけないのですが、今回サンプルに使用したローデンクロスはモエスマーのローデンクロスです。こちらはウール100%・540gmで色はグリーンとネイビーがあります。


また、昨年の秋冬よりローデンクロスに特化したメーカーの取扱いが始まりました。

ローデンクロスのメーカー「ライヒットフリード」のローデンバンチです。
ライヒットフリードはオーストリアのウール毛織物メーカーで、柔らかく上質なローデンクロスを作っています。

ラインナップも様々で、こちらは360gmのジャケット用ローデンクロスシリーズ。
ローデングリーンはもちろんですが、グレーやネイビー、ボルドーなどもあります。

そしてまさにのコート用ローデンクロス。
ウール80%・アルパカ20%で目方は540gmです。
黒、ネイビー、グレー、グリーンとあります。

最後の3枚はダブルフェイスです。表と裏の色が違う生地で、単衣仕立てにした際に裏の色も楽しめます。
ウール100%・640gmです。



今回作るにあたって色々なローデンコートを見て研究しました。特に参考にしたヴィンテージのローデンコートは本当にカッコよく、作りも頑丈で素晴らしいものでした。
それらを踏まえ、細かなディティールはヴィンテージのものを踏襲し、しかし手仕事からなる柔らかさや仕立て服としての上品さを出したく、全てハンドステッチにしております。そしてもちろん毛芯1枚の軽い仕様です。
これにより、サルトリアイプシロンの解釈としてのローデンコートが出来たのではないかと思います。


では、なぜ今回ローデンコートをラインナップに加えたかといいますと、7年程前にカチョッポリ(モエスマー)のローデンクロスを見た船橋が作りたいと言い、生地を購入しました。しかしその後なかなか作れずにいたところ、昨年ライヒットフリードのローデンバンチの取扱いを機にローデンコートへの熱が再燃したという次第です。
ただ、昨年も結局途中まで作り間に合わず断念、今年やっと完成と相成りました。

そもそも船橋はなぜそこまでローデンコートに想いを馳せていたのかというと、ちょうど船橋がローマに渡った80年代前半、サルト達は皆ローデンコートを着ていたそうです。
特に船橋が慕っていたペレグリーノというサルトが着ていたそれが特にカッコよく、その印象がずっと頭に残っており、いずれローデンコートを作りたいという思いがあったとの事です。


という訳でまさに40年越しのアイテムであるサルトリアイプシロンのローデンコート、店頭に飾っておりますので是非お越しいただきご覧下さい。


※ローデンコートのお仕立てに関しては、BuonoとDistinto という縫製ランク分けをしておりませんので、価格に関してはお問い合わせください。



サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

東京都中央区日本橋本町4-7-2 ニュー小林ビル3階

03-6225-2257

info@sartoriaypsilon.jp

2017/01/25

コットンコートお仕立て上がり ARISTON アリストン

ここ数日の寒さはまさに1月という感じですね。
しかし、季節はあと数ヶ月で早くも春です。そんな春に向けて、コットンコートのお仕立て上がりのご紹介です。


ARISTON アリストン コットンダイアゴナル
シングルコート 


イタリア・ナポリの生地メーカー、アリストンのコットンダイアゴナル(ツイル)です。少し起毛しており肉厚です。
しかし、触るとしっとりと柔らかでごわつく感じは全く無く、非常に上質なコットンであるとわかります。
綺麗なブルーグレーですが起毛しているので発色が抑えられ、派手すぎない色味が良いです。

ワイドなノッチラペルに、シングル3つ釦、箱ポケット使用のシンプルなデザインです。デザインで前の重なりを通常のコートより深く取っておりますので、防寒性も備えております。


後ろもシンプルにセンターベント。



体型のバランスに服が合っておりますので、ボタンを開けても前の部分がストンと真っすぐのままです。
これが斜めに開いたり重なったりするとバランスが合っていないという事になります。


まだサラッとした綺麗な表面ですが、着ていくうちにコットン特有のアタリ感などが徐々に出てきて良い雰囲気に変化していくと思います。

秋冬のコットンですが色味も含めてスプリングコートとしても着用可能ですので、年間通して着る機会は実はかなり多い便利なアイテムです。是非ガシガシ着て頂きたいですね。


T様、いつも有り難うございます!またのご利用お待ち致しております!