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2021/05/13

新ものづくり研究会 「やじろべえ理論」講演会

 少し前になりますが、3月23日にアズマ株式会社 縫製研究室(ASC)主催で、船橋による「やじろべえ理論」の講演会を行いました。


まず、新ものづくり研究会というのは、縫製副資材卸をしているアズマ株式会社様が「縫製を科学する」をテーマに活動している研究室です。

その研究室のテクニカルアドバイザーである稲荷田征(いなりだ すすむ)先生に船橋がジャケットを作った縁もあり、研究会でやじろべえ理論を講演する運びとなりました。

(※稲荷田先生は現代の名工に選ばれている方で、文化ファッション大学院大学の名誉教授であり日本モデリスト協会の元会長であったりとアパレル業界では著名な方です。)


当日は大手アパレルのパタンナーさんや縫製工場の方、服飾学校の先生など全部で50名近くの参加者にお集まりいただきました。



内容はやじろべえ理論の説明と、それを踏まえて作った稲荷田先生のジャケットを実際に着てもらい細かく説明するというもので、最後には余興でソプラノ歌手の中井菜穂様にオペラを披露して頂き久しぶりのアトリエコンサートも催しました。

船橋が引いた稲荷田先生の後身頃の型紙は左右の肩で2.5cmも差があり、これは既製服では有りえませんが、一般的なオーダーの補正でもまずやらない事なので皆様かなり驚かれていました。


肩の部分のネックポイントで2.5cm差が付いています。
(肩線実線が右とその下の点線が左です)


それだけ人体と言うのは歪んでいますが、その歪みに抵抗することなく服が釣り合うと一切歪んでいる様には見えなくなります。そして服の重量は均一に分散され、着ている本人は驚くほど軽く感じるというのがやじろべえ理論の概要です。

稲荷田 征先生 

講演より以前に出来上がりをお納めした時の写真です。
なかなかに難しい体型をされているのですが、ジャケットはバランスが取れており体の歪みは見えません。
肩パットも胸バス芯も入っておりません。
前身頃に薄いメッシュの毛芯が1枚入っているだけですが、胸のドレープや全体のラインがしっかりと出ています。

首への吸い付きも良いです。

後ろの首の乗りもバッチリです。
変なシワも出てません。

動いた時も綺麗な背中です。
左右差が2.5cmもあるようには見えません。

また、このやじろべえ理論を更に正確に簡単に把握するべく長年取り組んできた3Dボディスキャナーによる採寸と3D CADによる型紙製作・補正、そして将来的にはこれらの要素をAI技術に取り込んで展開していくという展望もお話しさせていただきました。

(3Dボディスキャナーや3D CADに関してはこちらのブログ記事をご覧下さい。)





やじろべえ理論は今までのセオリーとは違う考え方なのでなかなか理解されない事も多いのですが、稲荷田先生はそのような事は全くなく、柔軟な考え方を持ってらっしゃる素晴らしい方です。

更に実際にやじろべえ理論を駆使した服を着ていただき、より理解を示して下さいました。


講演やコンサートも大変好評をいただきまして、日本橋の店舗の最後を飾るに相応しい研究会になったのではないかと思います。

また、主催のアズマ株式会社様の「縫製を科学する」という考え方とそれに伴う研究室も素晴らしい取り組みだと思います。

アズマ本社の3階にはミシンやアイロン、裁断机、更にはCADや3D シミュレーションソフトなども設置されており、アパレルのモノ作りをサポートしていくという姿勢には大変感銘を受けました。

今後は会員制の服作り技能者集いの場として展開していく予定のようです。

アパレル設備が整備されている会員制工房というのはまだまだ少ないのですが、副資材会社がそういった環境を準備しているというのは素晴らしいですね。

気になられた方はアズマ株式会社ASCのHPを是非ご覧下さい。




サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

東京都千代田区二番町1-2 番町ハイム101-2
03-6225-2257

ypsilonjapan@gmail.com

※お車でお越しの際、土日はビル内駐車場が無料でお使いいただけますのでご利用の場合は事前にご連絡をお願い致します。平日はショールーム手前の有料駐車場かお近くのコインパーキングをご利用下さい。

2017/09/21

イタリアより帰国

もうすっかり季節は秋ですね。
朝夕はだいぶ涼しくなってきました。

17日の夕方に船橋がイタリア出張より帰ってまいりました。

今回は付属品(副資材)の買い付けと生地を少し買い付けてくるのが主な内容でした。

イタリアでの写真も撮ってきてもらいましたので、少しご紹介致します。



これは初日、ミラノ・マルペンサ空港からミラノ中央駅で向かうシャトルバスの中です。
船橋曰く「先ずシャトルバスの荷物積み込みを確認するのが最初の用心。次にバスの中では1列目には座らないのが第2の用心。そして座席から運転手が見える位置の通路側(前から3列目辺り)に座りシートベルトを必ず締めるのが第3の用心」

イタリアでは荷物は目を離した隙にすぐ盗られるので積み込まれるまできちんと見なければならないとの事です。1列目に座らないのは、高速バスであろうと乗用車のように運転が荒くスピードも出すので危ないからという事。そして運転席が見える位置というのはその方が心持ち安心するからだそうです。いきなり濃い話ですね。

そしてこの運転手、写真をよく見て頂くと分かるのですが、イヤホンマイクでずっと彼女らしき人物とプライベートな会話をしながら運転しているそう!仕事中に!ずっと!
開いた口が塞がりません。

そしてバスに乗って30分程、、、


事故です。
後ろから追突されました。

ぶつかってきた車の前部。ベンツです。

詳細は分かりませんが、バスが急に車線を変更して減速し、いきなり割り込まれた後ろのベンツは止まれず追突したそうです。

船橋は「どっちが加害者か分からないね。」と言っております。

その後お互い事故が起こった時に取り出す紙?(所謂示談書らしいです)にサインし、握手して終わったそうです。お気づきかとは思いますが双方警察に連絡などはしておりません。

幸いけが人はなく、その後は滞りなく無事ミラノ中央駅に付きました。

この一連の流れを見ますと、本当に用心に越したことはないなと思います。

とは言え、事故に巻き込まれたのは船橋自身も初だったので、そうそう起こる事ではないようです。ただ、一つ言えることは殆どの運転手がこのような”あまり丁寧でない”運転をするのが普通らしいので、今後もしイタリアに行く方はなるべく1列目には座らない様気をつけていただいた方が良いかと思います。




こちらはいつもの付属屋さんです。
ジェノベーゼ(ジェノバ出身)の兄弟で営んでおります。
パソコンや携帯が嫌いだそうですが、店内も年季の入った雰囲気がかなりカッコいいですね。

今回は今まで使っていた芯とは違う新たな毛芯とバス芯も買い付けてきました。
毛芯は当店の1枚芯仕立てのジャッカカミーチャの冬物に適しています。
その他ボタンや裏地など、在庫の少なくなってきた付属品も買ってきてもらいました。



付属屋近くのシチリア料理のお店で昼食です。
シチリアの手打ちパスタ「カヴァテッリ・ノルマ」
ホイルの包み方お洒落ですね。最高です。


中はこんな感じです。
シチリアビールと相性抜群です。

小牛のカツレツ「コトレッタ」
本当に美味しそうです。



町のパン屋
奥にあるパンはpane toscanoという大きいパンです。
店名は分かりませんが、伊勢丹にも出店したことがあると言っていたそうです。


続きます

2015/03/21

肩パット・ユキ綿のこと

今回は"Distinto仕立て"の際に使う肩パットとユキ綿について紹介します。

Distinto(ディスティント)仕立てとは、手縫いの割合の多い、弊店のお仕立ての中で所謂ファーストラインにあたるお仕立てです。
このDistintoでは肩パットとユキ綿も、お客様のお好みや体型を考慮し、薄さや大きさを調整してその都度手作りしております。

肩パットです。イタリア語でspallineと言います。
まず、薄いフェルト地に綿をほぐしながら一枚一枚重ねていきます。
このフェルトと綿もイタリアから買っているもので、以前日本でも似寄りのものを探したのですが、なかなか良いものがありませんでした。



薄くほぐした綿を重ねていくのですが、段差が出来ないように均一に重ねていく作業は簡単なようでかなり難しいです。厚みの判断も難しいので、慣れていないと一つ作るのに小1時間かかります。



ユキ綿も同様です。ユキ綿は、袖を付けた後にアームホールに沿って付け、袖付け部分の膨らみを保つものです。こちらも手作りのものだと、何とも言えないフワッとした柔らかな膨らみになります。薄すぎると柔らかさ故に後で潰れてしまいますので、適度な厚みが必要となり、肩パットより難しいかもしれません。ちなみにイタリア語でrulliniと言います。


綿を乗せ終えたら裏地をかぶせて形にしていきます。この時の糸での止め方もコツがいります。



出来上がりです。このパットとユキ綿を付けた肩部分は、触るとすぐ分かりますが、本当にソフトな仕上りになります。着用時の軽さと柔らかさも驚きです。

Distinto仕立てとBuono仕立ての違いは大きく分けると手縫いの割合いの違いですが、こういった表には見えない付属部分も細かく違います。

2014/10/16

BRUTUS掲載情報と手縫い、ミシン縫いの違いについて

10月15日発売のブルータス、「木の椅子と木工」特集。
P,143 BRUT@STYLEコーナーにて Sartoria Ypsilon 代表の船橋を掲載して頂きました。
大変貴重な笑顔の船橋を見ることができますよ。

弊店が得意とする、イタリアらしい胸のボリューム感、柔らかさなど、すごく奇麗に撮っていただきました。関係者の皆様、本当にありがとうございます。
そしてブログをチェックしていただいている皆様!
是非とも、お買い求めいただきご覧いただければと思います。
※もちろんのこと「木の椅子と木工」の内容もとても興味深く面白いです。


BRUT@STYLEコーナーでは、P,140に天皇陛下のお洋服を縫われている事でも有名な「金洋服店」の服部晋先生も掲載されています。服部先生とは、以前NHK「美の壺」での背広の特集、以来の共演となります。

今日は、そんなブルータス掲載に絡め、服部先生が2004年に出版、執筆された「洋服の話」をご紹介したいと思います。


こちらの本は、テーラー業界の方だけでなく、洋服を仕立てたことのない方、洋服を全く知らない方など、玄人から素人まで誰にでも分かりやすく、大変面白い内容です。
私も、洋服の仕立てに興味を持ち始めた頃、当然のこと読ませて頂き、勉強させて頂きました。

そんな「洋服の話」
今日は、その中でもP,65~P,66に書かれている手縫いとミシンとの違いについての部分に触れてみたいと思います。

早速ですが、
「手縫い作業の最も勝れているところは、縫目に適当な弾力を持たせることが出来るということで、これは動きやすくするための大切な要素の一つなのです。」

この後に、服部先生はミシンでも手縫いと殆ど変らない縫い方が出来ると仰っています。

「手縫いの長所は、縫い目が多少動くこと、そして多少伸びる余地があることなのですから、そのようにミシンで縫えば良いわけです。それにはどうしたら良いか、といいますと、まずミシン目を粗く致します。当然粗い方が動きが出るわけですね。そして糸をゆっくりとかけるために、ミシンの速度をうんと遅くしてやるのです。皆さんは、ミシンというものは早く縫うためのものだ、と思っていらっしゃいませんか? たしかにそうなのですが、実はミシンにはとんでもない宿命があるのです。たしかに、早く縫うのがミシンの大事な仕事なのですが、困ったことに、早く縫えば縫うほど縫目が硬くなってしまうのです。このことが、手縫いが尊重される第一の要素なのです。ですから、出来るだけゆっくりと縫い、しかもミシンの糸の調子を出来るだけゆるくして縫えば、手縫いに近いミシン縫いが出来るのです。」
以上、服部晋の「洋服の話」より引用


大変勉強になります。そして、全く仰る通りだなと共感いたします。
さらにこれは私個人の考えではありますが、ミシン縫いのさらなるデメリットは、早く縫えば縫うほど「縫いずれ」( 縫い合わせる表生地と裏生地にずれが生じる事 )がおこるということです。
ですから、テーラー業界( 特にイタリア )では「古い足踏みミシン」で縫っているところが多いのだと思います。

では、弊店ではどうかといいますと...


brother社の「最新式の工業用ミシン」です、っと堂々宣言いたします(笑)
えええっーーっと思われた皆様、ご安心ください。
この、最新式の工業用ミシン「縫いずれ」がほとんどおこりません!
また、非常に縫いやすく、もちろんスピードの調節も可能で、早くも、遅くも、縫うことができます。

特にシャツを縫うのに、このミシンは欠かせません。
結局、私が何を申したいのかというと「古い足踏みミシン」だけが全てではないということです。
歴史は確かに大事です。ただ、時代は日々進化しているのもまた事実です。
ですから当然のごとく、機械も日々進化しています。

弊店は「手縫い」を第一とした物作りをしております。ですが「最新式の工業用ミシン」を使います。また、型紙は「CADシステム」を導入しています。
なぜならその方が、洋服を作る上で手よりも正確だからです。

いろいろな考え、ポリシー、こだわりはそれぞれ、どの業界でもあると思います。
もちろん「古い足踏みミシン」を否定する気は毛頭ございませんが、私達は、仕立て屋としてのパフォーマンスうんぬんより、実際の「物」と「質」にこだわった物作りをしていきたいと考えます。


2013/03/31

イタリアの副資材

サルトリアイプシロンでは洋服の内部、副資材を、主にイタリアより買い付けています。

毛芯といわれるジャケットの表地を形取るものには、ウール&コットンで、イタリア内でも特に薄く、軽いものを選び、使用しています。
100%ウール毛ジンと異なり、コットンミックスなので伸縮性は少ないです。その”表地を張り出さない”感じは、動作の中での生地の表情が出ます。
国内に同様のものがなく、代用はききません。


スレキとは、ポケットなどに使う内側の袋布のことです。
こちらは、Marca Cervo(マルカ チェルボ)のもの輸入し、使用しています。
このメーカーのスレキはイタリアでも品質の良い、高級副資材だそうです。のりづけされたようなぱりぱりしたものではなく、柔らかな肌触りです。


その他、弊社ではいろいろな物をイタリアから輸入しています。
そのうち、またほかの物もご紹介したいと思います。



2012/07/03

イタリア製の裏地

イタリア直輸入で新色の裏地が入荷しました。





国産のものと違い、厚みがあり発色もキレイです。地の目も通ります。
同じようなものを国内で探しましたが見つからない状況です。ダークトーンのものは今まで通り御座います。