2017/01/18

イタリア便り 2 ビエラ

既に昨日船橋は日本に帰ってまいりましたが、イタリア便りの続きです。


2日目はイタリアの生地産地のビエラの工場見学に行きました。

ビエラ地区はミラノより更に北、アルプス山脈の麓にあります。織物工業の中心都市ですね。
イタリアの生地工場はほとんどこの辺りにあるようです。

今回はその中で、カノニコ社とボット・ジュゼッペ社の工場見学です。



当日は寒波でうっすら雪が降っていました。

まずはカノニコの工場です。正面玄関


日本でも有名なカノニコ社は、1663年創業とかなりの老舗です。


工場中庭。なんか良いですね。




工場内部は見事に完全オートメーション化されていて、このシステムは世界一だそうです。

オーストラリアの提携農場からウール原毛を買い付け、染色から仕上げまで全てこの工場で生産しています。

弊社でも取扱いがありますが、クオリティは高く且つ安価というコストパフォーマンスに優れている理由がこの規模を見ると分かる気がします。




次はボット・ジュゼッペです。

ビエラ地区のヴァレモッソにあります。

ボット・ジュゼッペは日本ではカシミアストールやニット関係で有名ですが、スーツ生地なども織っていて、1876年創業のこれまた老舗の織物メーカーです。
ジャージー素材なども得意としていて、船橋のお兄さんのよしさんのブランド「YOSHI FUNABASHI」で昔から使っています。社長のフェルディナンド氏とは公私ともに付き合いのある間柄です。

正面玄関

工場内部打ち合わせスペース。
天窓が良い雰囲気です。

工場の側を流れる川。この地域の水は軟水で、ウールを洗い染めるのに適しているそうで、同様の理由でお米も美味しくヨーロッパ一の産地との事。




やはり編み機も多いです。

船橋曰く、
「ボット・ジュゼッペはカノニコと違い、手作業が多く味わいのある生地が出来上がっていた。ボットのような織り工場が一般的だったのだろうが大量生産大量消費の現状に飲み込まれ、多くの工場が閉鎖されていた。この地ヴァレモッソに在ったレストランも無くなったそうで、お昼は工場内の社員食堂で御馳走になりました。
この二つの工場見学はグローバル化の表と裏を見せつけられた。」
との事です。

本来はもう一つロロピアーナの工場も見学する予定でしたが、担当者が体調不良により見学が出来ませんでした。



次回はピッティ・ウオモの便りをお届けします。