あと1ヶ月ちょっとで2017春夏の立ち上がりです。
そんな春が近づいている時期なのですが、こちらの生地をご紹介させて頂きます。
こちらの生地はイタリア・チェルッティ社のものです。目方は凡そ400gms/mほどのしっかりとした肉厚なツイードに近い冬物生地です。
昔の生地には多く見られましたが、今ではあまり見ない生地の裏側にブランドスタンプが押されています。
実はこの生地、船橋がローマに来て3年後の1980年、ローマの泥棒市(蚤の市)にて見つけ購入したものです。当時は60年代に織られた生地だと言われ購入したそうですが、はっきりした証明は無く、その商人が言っていた年代と生地の耳にある"CERRUTI"という文字とデザインでなんとなく古いものだろうという曖昧な認識でした。
しかし先日、チェルッティジャパンの方を通してイタリアのチェルッティ社に調べてもらった結果、少しだけですが詳細が判明し、以下の回答をいただきました。
「この生地は1979年にパリのチェルッティ旗艦店 "CERRUTI 1881"の注文服用生地としてNino Cerruti本人がデザインした貴重な品番です。
クラシカルな雰囲気の中にモダンな印象を与えたデザインは、今の時代になっても色褪せることの無い芯の強さを感じさせる生地となっております。」
なんと!60年代ではないじゃないですか!船橋が購入した1年前に作られた生地だったのです。
しかし、当時では新しい物かもしれませんが、年月が経ち今や約40年前に織られたCerrutiの貴重なビンテージ生地となりました。
確かにこの色柄は特徴的ではありますが、特段古臭いというものでは無く、今この生地でジャケットを作っても違和感無く着られるデザインは流石です。
目立ったへたりも無く、丁寧にしっかりと織られたであろうことは感触ですぐに分かります。
今年2017年は、船橋がローマの地に降り立った1977年からちょうど40年という記念すべき年という事もあり、船橋の根幹にある「70年代ローマンスタイル」を今一度認識して頂こうと思い、この度この生地を使用したサンプルジャケットを作りました。
如何でしょうか。生地で見るより実際のジャケットになると印象が変わります。
細かい柄は遠目では目立たず、綺麗なブルーグレーのジャケットです。普段着用されるのにも全く問題なく、むしろ着回ししやすい色味です。
そしてディティールも今までのものとほぼ変わりませんが、ラペルを少しだけ当時のローマスタイルっぽくしております。
仕立てはジャッカカミーチャ仕様にし、現代的軽さは保っています。
こちらの生地はあとジャケット2着分はございますので、ご興味のある方は是非一度ご来店下さいませ。
そして、このビンテージチェルッティの生地の良さも含め、チェルッティ社の生地のクオリティの高さを皆様にお伝えしたく、今回下記日程でチェルッティフェアを開催致します。
CERRUTI チェルッティ フェア
2月1日(水)~3月5日(日)
今回のフェアでは、このビンテージチェルッティの生地の他、少量ですが店頭在庫のチェルッティ生地でのお仕立てを期間限定価格にてお出ししています。
少しご紹介を。
こちらも少し古いチェルッティの春夏スーツ地
淡いグレー地に細く入ったストライプが綺麗です。
こちらは現行のチェルッティです。
"NOBILITY" スーパー150's のスーツ地です。
明るい紺に茶のピンストライプと、グレー地に薄赤のチェックの2種類です。
チェルッティの生地は、イタリア生地らしい柔らかさと高級感が漂っています。
また、他のブランドにはない繊細で都会的な色柄が多いのも特徴です。ビンテージ生地の方にもその特徴は表れている気がします。
このフェアの機会に、少しでもチェルッティの生地の魅力を皆様に知って頂けたら幸いです。
※フェア対象の生地は売り切れ次第終了となります。
東京都中央区日本橋本町4-7-1イマスHKビル5F-B
03-6225-2257
info@sartoriaypsilon.jp